【2023.0725】会派管外視察報告④

【テーマ】治水、防災、減災

【視察先】埼玉県春日部市  

    (首都圏外郭放水路:防災地下神殿)

 ● 国土交通省江戸川河川事務所

【視察概要】

 首都圏外郭放水路は、洪水を防ぐために建設された地底50メートルの世界最大級の地下放水路。近郊の中小河川が洪水となった時、洪水の一部を江戸川へと流すことができる。

 中川・綾瀬川の流域は、利根川や江戸川、荒川といった大きな川に囲まれ、土地が低く水がたまりやすい地形でこれまで何度も洪水被害を受けてきた。

 また、川の勾配が緩やため、水が海まで流れにくいという特徴があり、大雨が降ると水位がなかなか下がらない。さらに近年は、都市化が急速に進み、降った雨が地中にしみこみにくく、雨水が一気に川に流れ込んで洪水が発生しやすくなっている。

 2006年の首都圏外郭放水路の完成以降、142回の稼働実績があり、周辺地域で浸水する家屋の戸数や面積は大幅に減り、長年洪水に悩まされてきた流域の被害を大きく軽減できている。尚、平時にはインフラツーリズムの人気の高まりで多くの方が見学に来られている。

(延長):6.3キロメートル (工事期間):1992年~2006年 (事業費):約2,300億円 

【視察のポイント】福岡県は近年、大雨の被害に何度となく遭っており、先日視察を行った赤谷川でも完成したばかりの護岸が無残に崩壊していた。場当たり的な対策ではなく、抜本的な改修が必要と考える。放水路は地下50メートルに敷設するため用地買収に要する時間を短縮させるメリットがある。