12月福岡県議会一般質問&答弁 (要旨)~「今後の市町村支援のあり方と地域振興について」

三度目の一般質問に登壇しました。

地元(糟屋郡)課題を中心に、平成の大合併と今後の市町村のあり方について質問をしました。なかなか思ったような答弁を引き出せず、すごく早口になったことを反省しています。

福岡県議会一般質問&答弁 (要旨)

「今後の市町村支援のあり方と地域振興について」

2019年12月11日(水)11:10~ 民主県政クラブ冨永芳行

新たな市町村合併について

冨永:総理大臣の諮問機関である地方税制調査会では「自治体構想2040」の中で、現状の市町村単位による行政よりも、むしろ近隣の市町村で構成される「圏域」を単位として行政を展開する考えを強調している。平成の大合併の適切な検証がなされていない現状下、「自治体構想2040」として再度、国が市町村合併を推進するかのような議論がなされていることに対して知事の考えを問う。また今後、県内で新たな市町村合併の検討がなされる必要があるのか知事の見解を問う。

知事:人口減少・少子高齢化の進展に対応して、地方分権の担い手となる基礎自治体にふさわしい行財政の基盤を確立することを目的に、平成11年から「平成の合併」が進められた。

その結果、全国の市町村の数は3,232から1,727となり、地方制度調査会から平成21年に、「全体として目指す基礎自治体の姿に近づいた」、「合併推進は一区切りすることが適当である」との答申が出されているところである。一方、今後、人口減少はさらに加速し、令和22年頃、高齢者人口はピークを迎えると見込まれる。その中で、市町村が行財政基盤を中長期的に維持していくためには、行政サービスを提供する体制として、
①自主的な市町村合併、
②市町村の広域連携、
③都道府県による補完などの多様な手法の中から最も適したものを自ら選択できるようにすることが適当であると考えている。

市町村制施行の周年事業について

冨永:志免町は本年4月に町制80周年、来年10月には宇美町が町制100周年を迎える。宇美町は3年ほど前から100周年事業推進事務局を設置し、広く町民に100周年事業に関するアイデアを募集したり、役場各課の職員が積極的にアイデアを出すなど地域が1つになって100周年を祝福しようとする機運が高まっている。また、同様に来年100周年事業を行う宮崎県都農町とも独自に交流を深めている。こうした取り組みは、知事の言われる「誰もが住み慣れたところで働く、暮らす、育てる地域社会づくり」の根幹として不可欠なものであると考える。そこで市町村制施行の周年行事や取り組みに対しての知事の認識と県としての支援のあり方を問う。

知事:市町村においては、議員が触れられた宇美町の例のように、周年を機に、地域の魅力を内外に発信するとともに、住民の皆様に郷土愛を育んでいただけるよう、創意工夫を凝らした様々な記念行事が実地されている。県は、それらの記念行事に対して財政支援を行うとともに、式典に私や副知事も出席し、参加者の皆様とともに、周年の節目をお祝いしている。

糟屋郡7町の人口推移について

冨永:知事は2014年6月議会で原中議員の質問に対して「福岡都市圏を中心に人口が増加している一方で、合併市町村、非合併市町村を問わず、人口減少が続いている」と答弁され、同年12月議会では、人口減少対策で大きな役割を果たすのは市町村である。」と答弁されている。知事の一連の答弁では知事や県の人口減少に対する姿勢や役割が明確でない。非合併自治体である糟屋郡の7つの町の人口推移についての知事の認識を問う。

知事:本県全体の人口が、過去10年で約4万3千人、0.9%の増加であったのに対し、糟屋郡7町の人口は好調な住宅開発と子育て世代の転入により約1万9千人8.8%増加し、本県全体と比べ、高い増加率となっている。今後の人口推移については、国立社会保障・人口問題研究所は令和27年には、本県全体で約55万6千人、10.9%の減少が見込まれるのに対し、糟屋郡7町では約4千人、1.7%の減少になると推計しており、糟屋郡7町は、ほかの地域と比べて、人口の減少幅が比較的に小さい地域であると考えている。

糟屋郡内における県道筑紫野古賀線(県道35号線)の整備について

冨永:11月に阿恵官衙遺跡が国指定の史跡に指定された。1300年前から糟屋郡は大宰府政庁へ向かうための交通の要衝であったことは明らか。現在においても、人口増加に比例して、筑紫野古賀線は、長年に渡り慢性的に渋滞が発生しており、県民生活や企業の経済活動に大きな影響を及ぼしてきた。今後、糟屋郡への定住増加が進めば、更なる企業や大型店舗の進出で益々、混雑することが予想される。糟屋郡内における筑紫野古賀線の渋滞に対する知事の認識と、どのように整備事業を進めているのかを問う。

知事:県道筑紫野古賀線は、筑紫野市と古賀市を結ぶ全長33㎞の広域的な幹線道路である。本路線は、全線にわたり交通量が多く、特に、須恵町内の「須恵中央交差点」や粕屋町内の「門松交差点」は、福岡県交通渋滞対策協議会において「主要渋滞個所」とされるなど、慢性的な交通混雑が発生していると認識している。このため、糟屋郡内の17.5㎞において4車線化する事業を行っており、これまでに10.6㎞の区間が完成している。現在、宇美町、須恵町、粕屋町において、残る区間6.9㎞の事業を進めており、これまでに用地売買や一部区間の工事を行っている。

今後も、地元の皆様方のご理解とご協力をいただきながら、整備を進めている。

今後の糟屋郡7町に必要なものについて

冨永:今後、県政のさらなる発展のため、糟屋郡7町がそれぞれ個性を発揮し、今後も輝き続けるためには何が必要だと考えるか、知事の考えを問う。

知事:7町においては、JRや九州自動車道、国道201号などの道路網による良好な交通アクセスが整備され、森林セラピー基地や運動公園など各町に健康増進のための環境が充実しています。身近に楽しめる自然や歴史文化を生かした魅力的なまちづくりが行われ、子育て世代の転入も続いている。こうした世代が、生涯住み続けたいと実感できるような定住圏域として発展していくための施策を展開していくことが必要であると考えている。

今後のあるべき基礎自治体の姿について

冨永:県内の市、町、村のいずれにおいても、「これからのあるべき基礎自治体の姿」とはどういうものをイメージされているのか知事の認識を問う。

知事:人口減少と、高齢化がさらに加速する中で、それぞれの地域で「働く」「暮らす」「育てる」ことができるようにするため、各市町村の首長、議会、住民の皆様が自分たちの地域の将来像について議論を重ね、ビジョンを共有していくことが重要である。

その上で、それぞれの将来像に対応した行政サービスの提供体制を、先ほど述べた多様な手法の中から、長期的な視点で選択していくことが重要であると考える。