先日、大宰府跡出土品が国の重要文化財に指定される見込みであると教育庁文化財保護課の担当の方からご連絡をいただきました。
今回、指定されるのは1,770点の出土品とのことで、その一部に大野城跡(一部は宇美町)から出土したものも含まれます。
写真中に説明文が記載されているものが宇美町で出土したものです。
また、指定制度とは、重要な文化財を厳選し、許可制等の強い規制と補助金などの手厚い保護を行うものです。
■資料名 : 軸受金具(じくうけかなぐ)
■出土地 : 大野城跡 北石垣城門跡(宇美町四王寺)
※平成15年7月の豪雨災害に伴う災害復旧工事に先立って発掘調査が行われた際に、
新たに発見された城門跡。
■概要 : 軸受金具は、門の扉の軸を受ける金具で発掘調査の際に唐居敷と呼ばれる門礎に固定された状態で発見された。鉄製で高さ25.5センチ、重さ約12.8㎏。
上部が円頭状に突出しており、扉の軸に設けられた凹みと組み合わさって、扉の回転を支える仕組み。朝鮮半島の古代山城でも複数の類例が見つかっており、大野城築城に際して朝鮮半島の技術がもたらされたことを伺わせる資料で滅亡した百済から亡命してきた高官の指導のもとに築かれたことを伝える『日本書紀』を裏付ける資料ともいえる。
国内の他の古代山城でも礎石に鉄さびが付着していることから、軸受金具が使用されていたと考えられるが、実物が現存しているのは本資料が唯一の事例であり、重要な資料である。