① 生活用品メーカー大手の『プロクター・アンド・ギャンブル・ジャパン(P&G)』が社会全体で学生の個性の尊重について考える広告キャンペーンを現役中高生や卒業生、現役教員の合計1,000名を対象に本年2月に実施し大きな話題となりました。その中で、現役中高生と卒業生に対して、「生まれつき茶色い地毛を、学校から黒染めするよう促された経験があるか?」と尋ねたところ、13人に1人が学校から地毛の黒染めを促された経験があると回答しています。本県においても多くの県立高校が、髪の長さをはじめ、髪染めやパーマの禁止など頭髪に関する細かな校則を設けており、中には頭髪の色素の薄い生徒や癖毛の生徒に対して、保護者の署名や捺印をも含む「地毛証明書」の提出を求める学校もあると聞き及んでおります。
② 今回、私が校則について質問するに至ったきっかけは、県内の県立高校に通う高校生とその保護者からの相談でした。事前に地毛であることを学校側に伝えていたにも関わらず、校則を理由に、繰り返し地毛の黒染めを強いられていたとのことでした。過去には、学生証の裏側に生徒指導の観点から「赤毛」とだけ印字したシールを貼る学校もあったと聞き及んでいます。黒染めを巡っては、2017年に大阪の府立高校で、生まれつき髪が茶色であるにも関わらず、校則を理由に、繰り返し黒く染めるよう強要された女子生徒が体調を崩し、不登校になったという事案も発生しています。また、本年7月には、一部の都立高校が、地毛の頭髪でも黒く染めさせる生徒指導をしているとして、NPO法人代表や弁護士らが中止を求める約2万人分の署名と要望書を都教育委員会に提出し、都教委は地毛の黒染め指導をしないよう都立学校長に対して徹底して求めていく考えを表明しています。
③ 前述のP&G社の「頭髪校則の調査」によると、現役中高生の69%が「自由な髪型が許されてもよい」と考えている一方で、「髪型校則がある理由を教員に尋ねた事があるか」との質問に対しては、91%の生徒が「髪型校則がある理由を聞いたことがない」と答えており、校則について疑問をもちながらも生徒側から本音で教員と話せていない実態があること明らかになりました。近年、公職選挙法の選挙権年齢を18歳と定めるなど、18歳、19歳の若者にも国政の重要な判断に参加してもらうための政策が進められ、2022年4月には、民法の成年年齢も同様に18歳に引き下げられます。政府は、成年年齢を18歳に引き下げることは、若者の自己決定権を尊重するものであり、その積極的な社会参加を促すことになるとしています。成年年齢18歳引き下げを前に16歳、17歳の高校生が身近な校則について考えることは大変、重要なことだと考えます。